高血圧による合併症

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高血圧状態が長く続くと合併症による病気の発症が心配になります。どのような合併症があるのか順を追って説明します。『脳』では急死に至る恐れが高い「脳梗塞」や「脳出血」があります。また、「クモ膜下出血」や「脳動脈瘤」の危険性も高まります。さらに「認知症（ボケ）」の進行も高血圧状態の方が早いのです。高血圧が続くと脳内の動脈や首の頸動脈に血栓（血の塊）が生じたり、動脈が硬くなり柔軟性を失う動脈硬化が進んだりします。そのことが原因で急死に至る脳障害を引き起こすのです。次に『目』では高血圧状態によって目の奥の網膜に集まる細動脈がもろくなるため、眼底出血が起こりやすくなります。そのため、目に起こる合併症としては「眼底出血」「中心性網膜症」「黄斑変性症」などがあります。『心臓』では、高血圧によって心臓の周りにある冠状動脈や心筋に負担が生じます。そのため動脈硬化や心肥大を引き起こすことになります。それが原因で起こる合併症としては、「狭心症」「心筋梗塞」「心肥大」「心不全」など、どれも命に関わる重大な疾患につながるのです。内臓の合併症として一番懸念されるのは『腎臓』です。高血圧状態が続くことで、腎臓内の細動脈が脆くなり、血液を濾過する機能が低下してしまいます。この状態により腎臓は大きなダメージを負うことになるのです。高血圧が引き起こす腎臓の合併症としては「腎硬化症」「腎不全」「慢性腎臓病」があります。腎臓の機能が低下すると、最悪の場合は人工透析をする必要が生じてきます。『血管』そのものにも高血圧による合併症の恐れがあります。腹部や胸部にある大動脈にコブができる「大動脈瘤」はとても危険なものです。このコブが破裂すると命に関わる重大な症状を引き起こします。その他にも『足』の血管にある動脈硬化が進むことで足のしびれや痛みが生じたり、最悪だと壊死に至る恐れもあります。この症状は「閉塞性動脈硬化症」と言います。
これらの合併症は、全く自覚症状が無いままに進行していきます。高血圧状態が続くと、このような危険で重大なリスクを負うことを認識して治療にあたる必要があるのです。